ひだまり通信

エイシンホケン事務所のブログ

まるで人が答えているような自然な会話をするAIとして、ChatGPTはが話題になったこともあり、近年、生成AIが一気に広まりを見せました。生成AIは、ジェネレーティブ AIとも呼ばれており、文章、音楽、画像、プログラムなど、さまざまなコンテンツを作り出す、AI技術のこと。生成AIにより、多くの企業や個人がその便益を享受していることでしょう。

生成AIはとても便利なツールであり、業務効率のアップにも役立つ反面、利用に際しての注意点も多く、何に注意すべきか理解しておく必要があります。

そこで今回は、生成AIを使う際の主な注意点として、著作権の問題、情報の信ぴょう性、情報漏洩の3つについて、ご紹介します。

 

◆生成を使う際の注意点1 著作権について

生成AIで作られた画像や文章に関して、まず注意したいのが、ほかの制作物の著作権を侵害していないか、です。

生成内AIと著作権については、まだはっきりと決まっていないこともあり、内閣府では、関係省庁が連携し、AI戦略チームが編成され、これまでに何度も議論が重ねられてきました。令和5年5月15日に行われたAI戦略チーム第3回で作られた、「AIと著作権の関係について」といった資料も作られています。

また、生成AIで作られた制作物に関しては、平成30年に著作権法改正により、著作権法第30条の4が制定されました。その中で、特定の条件を満たす場合は、著作権者の許可がなくても、制作物を利用することができると定められています。しかし、今後法改正される可能性もありますし、意図的でなくても、生成AIを使って生成したコンテンツが、著作権のある既存のコンテンツに酷似していれば、問題が生じることも出てくるかもしれません。

著作権を侵害しないよう、生成AIで作成したコンテンツと似たものがないか、確認するように心がけましょう。

 

◆生成を使う際の注意点2 情報の信ぴょう性

生成AIは、数多くのデータから学習し、その知識を活かして、文章や画像などを生成しています。生成AIが学習するデータの中には、誤った情報が紛れ込んでいたり、悪意を持って意図的に改ざんされた内容が含まれているかもしれません。

生成AIの情報の正確性については、日本だけでなく海外でも問題視されており、各国で議論がなされています。

2023年12月には、主要7か国(G7)により、生成AIの国際ルールとなる「広島AIプロセス」を合意しました。これは、誤った情報の拡散を防ぐためのガイドライン策定などをおこない、AIの開発者、利用者ともに、ルールを遵守することを目指したものです。

 

生成AIを使う場合、情報がすべて正解ではないと認識し、「もしかしたら間違っているかもしれない」という目で、正しい情報かどうか、常に再確認する必要があります。

 

◆生成を使う際の注意点3 情報漏洩の危険性

生成AIは、さまざまな学習データを利用してコンテンツを作成しますが、生成AIの利用者が入力したデータも、学習データに該当します。基本的には、生成AIに入力したユーザーの個人情報などのデータは、匿名化され、プライバシーは保護されることとなっています。しかし、万が一の流出など、セキュリティー面でのリスクを考慮する必要があります。個人情報や社内の機密情報、取引先の情報など、他者に知られて困る情報を生成AIに入力することは、避けるようにしましょう。

 

いかがでしたか?生成AIは、使い方さえ間違えなければ、新しいアイデアをもたらし、業務効率の向上に貢献してくれるものです。今後もどんどん発展していくと考えられます。それに従い、企業での利用も増加する可能性があるでしょう。

今回は、生成AIを利用するにあたって、特に重要な注意点を3つご紹介しましたが、ほかにも注意すべき点はあります。生成AIの利用に関しては、社内でルールを作り、利用することも必要です。また、常に進化するものであるからこそ、アンテナを立てて、情報をキャッチしていくということも欠かせないでしょう。

注意すべき点をきちんと守りつつ、便利なツールである生成AIを上手に利用していけるよう、今一度考えてみてはいかがでしょうか。