お世話になった人へ贈り物をする習慣、お中元。
今年はどうしようかと考えている人も多いのではないでしょうか。
中国の風習と日本の行事が融合。
季節のご挨拶としてお馴染みの「お中元」ですが、もともとは中国の道教の風習である三元に由来するといわれます。三元とは「上元」「中元」「下元」のことで、それぞれ道教の神様である大帝の誕生日。人間の過ちを許してもらえる日と考えられていました。
その中で「中元」は、地獄を治める神様の誕生日で、慈悲の心によって月は地獄の門を開き、地獄に落ちた人も現世に戻って良い人間になり、極楽へ行けるとされたそう。この考えが日本へ伝来。祖先の霊を祭り、供え物を親類縁者に配る習わしや仏教の盂蘭盆会と融合したのが、お中元です。
地域によって異なる、贈る時期。
お中元は、全国的に月下旬から月上旬の間に贈るものとされていますが、地域によって多少のずれがあります。
関東地方では、主に月初旬から日頃(または夏の土用入り)まで。関西以西では、月初旬から日頃までとされています。最近では、お付き合いの範囲が広がっていることや、月に集中することを避ける目的などから、月から贈り始める人もいるようです。
何を贈る? 誰に贈る?
何を贈るか、は誰もが悩むところ。一般的な傾向として、お中元には実用的な消耗品を、お歳暮には正月の準備に役立つ食品などを贈ることが多いようです。大切なのは、こちらが贈りたいものではなく、相手に「喜ばれるもの」を選ぶことといえるでしょう。
誰に贈るか、も気に掛かります。会社関係者なら、社内ルールや慣習がある場合が多いので、まずは周囲に確認を。本当にお世話になった人や、贈りたい人にだけ贈る、というケースも増えているようです。
両親・兄弟・親戚へは贈らなくても失礼にはあたりませんが、普段からお世話になっているなら、感謝の気持ちを込めて贈るのもいいでしょう。
仲人へは、挙式だけお願いした場合、4年目からは贈らなくてもよいといわれています。ただし、会社の上司など挙式後もお世話になっている人へは、贈り続けることも多いようです。
なお、お中元はお祝いでないので、喪中でも贈るのに差し支えがないそう。ただ、四十九日を過ぎていなかったり、気落ちが大きい場合は、時期をずらして「暑中御見舞」または「忌中御見舞」に。「忌中御見舞」なら、のしではなく短冊を使いましょう。